Text Yukihisa Takei
模倣と本物に対する問いかけを込めた“Imitation Complex”がコレクションテーマ
Maison MIHARA YASUHIROによる2023-2024 AW コレクションがパリで発表された。
コレクションのテーマは“Imitation Complex”。デザイナー自身の模倣と本物の境界線に対する問いかけがクリエイションにも表れている。
コレクションのメインとなった“パファーシリーズ”では、オーセンティックなアイテムの表地と裏地の間に中綿を挟みこみ、その存在感を誇張。
また今シーズンはこれまでウェアに採用してきたリアルレザーを全てフェイクレザーへと切り替えるなど、模倣と本物の追求は素材においてもなされている。革靴作りがクリエイションの原点にあたるデザイナーの三原康裕にとって、レザーは慣れ親しんできた素材。今回は“吹き付け染色”をフェイクレザーに施すことで着古された“本物”さながらの表情を生み出した。
シーズンコラボレーションとして、ニューヨークと東京を拠点に活動するジュエリーデザイナー KOTA OKUDAのシグネチャー作品であるドル紙幣を取り入れたアイテムを展開。ここでも“Imitation Complex”のテーマを内包するなど、一貫性の感じられるコレクションとなっている。
人気のスニーカーにおいては、初期モデル“PETERSON”のDNAを受け継いだスニーカー“PETERSON 23”を発表しており、これも人気を博しそうだ。
